なんで山田哲人は何度もトリプルスリーを達成できるの??
昨シーズン3度目のトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲人選手。
長いプロ野球の歴史で山田選手を含め、10人しかトリプルスリーを達成できていません。
さらに2度達成した選手は山田選手以外いなく、3度目となると完全に異次元の世界です。
そこで今回はなぜ山田選手は何度もトリプルスリーを達成できるのか追求していきましょう。
杉村繁コーチとの出会い
山田選手のバッティングの才能を開花させたのはこの杉村繁コーチ。
杉村コーチは青木宣親選手や内川聖一選手を育て上げた名コーチです。
山田選手はプロ3年目のシーズンは2軍スタートでしたがそこで杉村コーチに出会い、これが転機になりました。
11種類ものティーバッティング
山田選手は幼い頃からティーバッティングの練習をしていましたが、杉村コーチはただティーバッティングをするのではなく様々な形でティーバッティングをします。
1バウンドしたボールを打つ
これは山田選手がプロの投手の落ちる変化球に苦戦していたため、その手元で落ちる変化球の対応力の向上で行なっています。
バランスボールに座って打つ
バランスボールに座る事で体が不安定になり、体制を崩されてもボールを芯で捉える感覚を体に覚えこませます。
バットをクロスさせてから打つ
バットをクロスさせる事で自分のタイミングを確認し、体に刻み込みます。
今回は3つのティーバッティングを紹介しましたが、このほかに8つものティーバッティングを試合前には必ず山田選手は打ちます。
なぜこれほどまでのティーバッティングを打つのかというと、バッティングには「タイミング」「ポイント」「バット軌道」という3大要素があって、それの“修正”と“確認”と“意識付け”のためだそうです。
このティーバッティングの効果は絶大で山田選手は一気にブレイクします。
プロ4年目の2014年シーズンにはレギュラー定着を果たし、さらにシーズン日本人右打者歴代最多安打記録の193本ものヒットを放つのです。
そしてその年の契約更新で翌年にトリプルスリーを目標にすることを宣言します。
そんな山田選手にとってトリプルスリーの1番の壁は「盗塁」でした。
2014年の山田選手の成績は、打率.324 29本塁打 15盗塁
と盗塁が少なかったのです。
そんな山田選手にさらなる出会いがありました。
三木肇コーチとの出会い
三木コーチは現役時代に、“守備と走塁のスペシャリスト“として活躍しました。
そして三木コーチはコーチに就任してからもいくつもの選手を育ててきた名コーチです。
徹底的に守備力を上げる
三木コーチはまず取り組んだのは走塁練習ではなく、守備練習でした。
これは山田選手が14年シーズンにセ・リーグワースト2位の13失策を記録し、「良い守備が攻撃のリズムを作る」という持論の元、徹底的に山田選手に守備を教え込みました。
さらにこの守備練習に”足腰を鍛える“という目的もあり、走塁にも繋げていました。
守備の基礎が固まったら走塁練習
体の土台が守備練習によって出来上がった頃からようやく「走塁」の練習が始まりました。
元々山田選手は50メートルを5秒67というプロでもトップクラスの俊足だったが、どうしても足の速さだけに頼ってしまい、盗塁数を伸ばす事が出来ませんでした。
そこで三木コーチは山田選手に「構え」「スタート」を徹底的に教え込みます。
とくに「スタートの反応」には力をいれました。
僅かな動きを目で捉え、スタートを切るという練習。スタートが速過ぎてもピッチャーの牽制の憂き目にあってしまいます。
さらに、反応とともに1歩目を踏み出さないと成功率は上がらない。
三木コーチと山田選手は猛特訓に励みました。
そしてその成果は2015年シーズンの開幕戦に出現れました。
現在メジャーリーグで活躍する前田健太選手から1打席目からヒットを放つ。
そして次の打者の初球に盗塁を決める。前田選手は牽制が上手い事でも知られる投手で、その前田投手からいとも簡単に盗塁を決めたのです。
そこから山田選手の盗塁ラッシュは止まらなかった。
前半戦だけでその前の年の15盗塁を達成する。
結局終わってみれば2015年シーズンは打率.329 38本塁打 100打点 34盗塁の圧巻的な結果を残し、”ホームラン王“”盗塁王“の二冠ともにトリプルスリーを達成。
さらに山田選手は翌年にもトリプルスリーを達成。
2017年こそ不調で達成できなかったものの、2018年に3度目の達成を記録。
山田選手がなぜこのように何度もトリプルスリーを達成できるのかというと、もちろん山田選手の才能や努力もあると思うがやはり運命的な出会いがあったからだと思います。
そして歴代トリプルスリーを達成した選手は皆、山田選手の「走塁」を絶賛しています。
2018年のセリーグで打率.300以上15人 本塁打30本以上7人 盗塁30以上2人と圧倒的に盗塁の難易度が高い事がわかります。
今シーズンも史上初の4度目のトリプルスリーを達成できるのか。
山田哲人選手に注目です。